極端な健康法

 テレビをみていると○○○だけでやせる、△△△だけで健康になれるなど、明日からは太った人や不健康な人はいなくなってしまうかのごとき番組が毎週のようにみられます(そんなにすばらしい健康法は2つ3つあれば後はいらないようにも思うのですが。。。)。テレビ番組の作りとしてはインパクトがあってよいのでしょうが、健康法としてはどうなのでしょう。番組を作った人や出演者がその後続けているかどうか聞いてみたいものです。

 20年以上医者をしていて思うのは、多くの場合「極端は体によくない」ということです。納豆だけでも、トマトだけでも、ワインだけでも人は健康にはなれそうもありません。何事もほどほどがよさそうに思います(感覚的な表現ですみません)。

 運動もそうで、適度なスポーツは体によくても多くの競技スポーツは体に悪いと思われます。多くのプロスポーツ選手やセミプロ選手が体をこわしたり、腰痛に苦しんだりしています。スポーツが体に悪いなどと書くとあちこちからお叱りを受けそうですが、私には「極端は体によくない」の典型のように思われます。

 もっとも「極端に」健康を求めるというのもどうなのでしょう。ほどほどに健康を求めながら、時には(やはりおいしいものは塩と脂だとつぶやきながら「極端に」ならない程度に)おいしいものを求め、(楽しみや生きがいであれば)競技スポーツに打ち込み、夜更かしをしてでも友と語らい、(飲める人は)酒も楽しむというのも楽しそうに思われます。体に悪いものはすべて遠ざけ、「健康のためなら死んでもいい」という健康至上主義よりよほど健全ではないでしょうか。

 もちろん「極端に」健康をないがしろにするのも問題です。食べすぎと運動不足が現代病の何割かをになっているのは確かでしょう。腹九分(八分はちょっとつらいです)で押さえ、体重計と心拍計、軽い運動と時おりの血液検査を友としながら道を踏み外さない程度にフラフラと走っていくのはいかがでしょう。