膀胱癌にもいろいろある

 膀胱癌というのは肺癌や胃癌、大腸癌などと比べると少なめの癌ですが、泌尿器科の診療をしていると日常的にみられる(腎癌や精巣腫瘍などと比べても)比較的数の多い癌です。見つかる契機としては主には血尿です。膀胱炎や尿管結石などでも血尿は見られますが、頻尿や強い痛みがみられるのに対し、膀胱癌による血尿は痛みがない(ことが多い)のが特徴です。意識せずにいて、健診で血尿が見つかり受診を勧められるケースも多くみられます。

 尿の詳しい検査、尿路の超音波検査などで調べるわけですが、症状の乏しいほかの病気であることも多くみられますが、ほかに症状がないからといって血尿を放っておくのはお勧めできません。むしろほかに症状がないときが心配だと言えます。

 膀胱癌に限りませんが、ひとくちに癌、といってもたちの悪さはさまざまです。膀胱癌は無症候性(痛くもなんともない)の肉眼的血尿で見つかることが多い中高年に多い癌ですが、大きく分けて膀胱の中にふわふわとたなびいているものと、しっかりした塊が膀胱の中に浸み込むように入り込んでいるような如何にも堅そうなものに分けられます。よく非浸潤性と浸潤性という言い方をしますが、たちの悪さも異なります。

 また他の先の予後(この先再発するか、命にかかわるか)を予想する指標としてはできものの数(1個だけのものから無数にあるものまである)と一番大きいできものの大きさがあります(当然ながら大きいものが悪い)。

 癌(もしくはそれが疑わしいできもの)がみつかれば、入院して麻酔をかけ、内視鏡でそれを削り取り、焼き固めます。そのうえで細胞のたちの悪さを調べます。それをみて後の治療を決めるのですが、一番軽くて様子を見る場合でも定期的な検査は必要になります。より詳しい治療についてはあまりにも詳しい話になりますので興味のある方は検索してみてください。ここでは主に誰しもが知っておいたほうがいい健康に関する情報をつづっていきたいと思います。