前立腺肥大症には多種、多様な治療薬がありますが約15年前からはαブロッカーという前立腺の緊張をゆるめて、前立腺部尿道の通りをよくする薬が主力となっています。代表的なものとしてはハルナール、アビショット、フリバス(=アビショットと同じ成分)などがありますが、最近新薬としてユリーフという薬が発売されています。これらの薬はおしっこがでにくいのをでやすくするには大変よい薬なのですが、排尿障害の中にはおしっこが近い、排尿が不快である(あるいは排尿後に不快)、回数が多い、などの「出にくいだけでないさまざまな症状」が含まれています。そのような場合には他の治療薬が有用な場合も多く見られます。
すべてを書けば本がかけるかも知れませんし、すらすらと書けるようなものでもありませんが、一例をあげれば、エコー検査で前立腺があまり大きくなく、でにくいよりは不快だと言う方にはエビプロスタットやセルニルトンなどのような生薬系の薬やセレナールという抗不安薬に分類される薬が有効なことがしばしばみられます。漢方薬が有効なこともあります。漢方薬のエキス剤には健康保険の適応が認められているものもあります。
αブロッカーの内服で調子よくおしっこがでている方はよいのですが、不十分であれば通院中の先生と相談の上、どのような薬をいままで服用していたかわかるようにして、泌尿器科の門をたたいてみてはいかがでしょうか。