心拍トレーニングについて

 私はBMIが一時28と肥満気味(というよりは、はっきり肥満)でひところは「お酒も飲まないのに珍しいね」と友人にも指摘された、脂肪肝による肝機能の上昇がみられていました。これじゃいかんなと思いながらも、自制心のなさからおいしいものはがまんできず、スポーツジムもつづかず体重も減らない日々が続いていました。

 1年半前のある日、若いころ乗っていたスポーツ自転車にのってみたくなり、専門店を覗いたところ(しろうとにしては)かなり高価な自転車を衝動買いしてしまいました。家族や友人は決して続かないだろうと思っていたようですが(実は私も思っていなかった)、風を切って走る自転車はとても気持ちよく、通勤に小旅行に自転車にのるようになりました。

 よく外来でも食事療法と運動が大切といいますが、楽しくないことは決して続かない(少なくとも私のように意志の弱い人間には)のです。幸い自転車は私には楽しく、平成17年の走行キロ数は5000kmになりました。これは本格的アスリートにはそれがどうしたという程度ですが、ほとんど運動と無縁であった中年男性の一年目としては(われながら)呆れるというかよくやるわという程度ではないでしょうか。現在体重は4kg減、肝機能は正常化しています。

 あとでまた項を改めて詳しく書きたいと思いますが、無理をしないために心拍計(心臓が1分に何回うっているか)をつけて自転車に乗っております。心拍数を体力に合わせて一定に保つというマフェトン理論というのがあることを知り、これにそって運動するとひどい疲れや筋肉痛もなく血液検査結果を徐々に改善することができたのです。詳しくはまた項を改めて書きたいと思いますが、自転車に限らず、好きなスポーツを心拍計をつけてすることにより、健康を増進することができるのです。もちろんジョギングやウォーキング、スポーツジム、水泳などジャンルを問わず有効です。

 生活習慣病の初期の方、入り口の一歩手前の方などは薬なしで正常化することも可能でしょうし、中等度以上の方も薬の減量や悪化を防ぐことができると思います。私といっしょに心拍トレーニングをしてみませんか? 

 突然、泌尿器科と関係のないコラムでスタートしてすみませんが、心拍トレーニングによる生活習慣病の治療は(私自身の治療も含めて)もうひとつのライフワークと考えておりますのでご了解ください。