前立腺がん検診について

 誰でもがんになるのはいやなものですが、なってしまったとしたらできるだけ早く発見して治してしまいたいものです。前立腺がんは血液検査によって早期発見できる珍しいがんです。がんになると前立腺特異抗原(PSA)というたんぱく質が血液中に増えてくることを利用して調べる検査法で、体に対する負担が少なく、お金もあまりかからないという優れた方法です。

どのような人が血液検査を受けたらよいか

 もちろん男性に限ります(笑)。もっとも必要なのは60代の、ほかに基礎疾患のない(元気な)方です。一般的な適応は55歳から75歳の方です。54以下では見つかる頻度は非常に低くなり、76歳以上では早期発見のメリットが少なくなってきます。

血液検査が高めだったら

 血液検査だけでは本当にがんがあるかどうかはわかりません。がんがあるかどうかは前立腺に針を刺して前立腺の一部を採ってきて顕微鏡でがん細胞があるかどうかを調べます。この検査を前立腺生検といいます。問題はPSAの値がいくつであったら生検をするかです。

 一般的にはPSAが4ng/ml以上であれば生検をしたほうがよいとされています。

 最近では磁力の強いMRIで前立腺の内部構造がある程度わかるようになり生検の必要性をある程度判断できるようになってきました。PSAの数値とともにMRIの画像診断を併せて、年齢や前立腺の大きさ、炎症の有無などを考慮し、生検が陽性にでる確立を推測し、説明した上で希望を聞くようにしています。いままでの人生において少しでも心配があれば解決しておいたほうが安心できるという哲学の方には5%ぐらいの確率があれば検査を勧め、できるだけしんどい検査はしたくない、胃カメラ、大腸カメラなどはしたことがないという方には20%以上の確率があれば検査を勧めるようにしています。中間の普通の方は10%が目安です。

 精密検査の内容につきましてはまた項を改めて説明したいと思います。