夏になると膀胱炎で受診される方、特に女性が増えてきます。
排尿痛、血尿、不快感などで、ご自分で「あ、膀胱炎だ」と自己診断され、薬局でボーコレンを買い求め、服用したが良くならないという方が、結構いらっしゃいます。
ボーコレンは五淋散と呼ばれる漢方薬で、そのもの自体は膀胱炎の症状を緩和するのには有効で、私もしばしば使用します。特に膀胱炎で荒れた膀胱は、菌がいなくなってもしばらくは不快感が残ります。そういう症状の緩和には有効なこともあります。
しかしながら、自己診断でボーコレン(だけ)を飲んで対処することには、2つ問題があります。膀胱炎に対しては、ご自身での対処は、オススメできません。
ひとつは、膀胱炎を起こす基礎疾患のチェック、すなわち結石やできもの(がん、なども含む)・残尿が多くなる神経因性膀胱など、「何のせいで膀胱炎が起きているか」の原因疾患のチェックができているかどうかです。ただし、こちらについては、初めて膀胱炎になった比較的若い方は無視しても良いかもしれません。
もうひとつは、膀胱炎の多くは細菌感染が原因であり、その菌を殺すことが必要である、ということです。こちらに関しては、病院・医院で、抗菌剤という細菌を殺す薬を処方してもらい、短期間服用することで、圧倒的に早く膀胱炎を治すことができます。
膀胱炎は医者にかかったほうが絶対に良いです。