心因性の頻尿の治療

以前から、「ためしてガッテン」という番組の間違った、あるいは誇張された情報は医療を惑わしていると思っていましたが、先日の番組は(珍しく)なかなか有用な情報が入っていました。

尿意というのは半分くらいたまったときに予備的に脳に連絡が行くのだが、そのときにいつもトイレに行っているとそういう習慣になってしまう、と。これは的確な指摘で、おしっこが近いという人は参考にしてもらえればと思います。

私はよく患者さんに、「いま時間があるからとか、これから何かするから、トイレに行くという習慣をやめましょう」と説明しています。あまり溜まっていないおしっこを「ぐい」と押し出すのは、あとの不快感や残尿感につながりまた行きたい気持ち(行ってもでないのですが)が尾を引きます。

映画館で最後の30分や卒業式の式典などで、必死で堪えねばならず、やっとの思いでトイレに駆け込んだところたいして溜まってなかったという経験は普段頻尿がない人でも多く経験するところと思います。心因性頻尿に悩む人というのはそういう思いを始終しているわけで、それはそれで辛い思いをしています。

先に書いたような生活指導が有効なのはもちろんですが、的確な薬剤を選択することにより、改善が期待できますので、心当たりの方は相談いただけましたら幸いです。