糖尿病治療薬「アクトス」と膀胱癌

ここ数日ヨーロッパの調査で糖尿病の治療薬であるアクトスという薬で膀胱癌の可能性が増えることがわかったと発表があり、数カ国では新規の患者さんには投与しないように、と沙汰があったそうです。調査の報告書を見たわけではないので詳細はわかりませんが、膀胱癌になる可能性が2割ぐらい上昇する、とのことのようです。

もともと膀胱癌になる可能性というのはさほど高いものではないので、それが2割上がるというのは健康に大きく影響するとはいえないのですが、それでも気持ちは悪いですよね。他に代わりになる薬があれば、無理に続けることもないのでしょう。替えられる薬は替えてもらいましょう。今後この薬が続いていくかどうかは、糖尿病のほかの薬に比べて有用性が高いかどうかにかかってくるのだと思います。

さて、すでにアクトスを長期に飲んでいて、膀胱癌が心配な方はどうしたらいいでしょうか。膀胱癌の検査で一番確実なのは膀胱鏡です。最近は痛みが少ないカメラもありますが、それでも念の為にするのはきつい、と思います。お勧めなのは膀胱に尿をいっぱいためての超音波(エコー)検査と尿の検査(血が出ているかどうかをみる)です。1年に1回、つらくない検査で、膀胱癌の有無を確認するのがいいように思われます。

内科の先生も超音波の検査はされますが、膀胱を診るということになると泌尿器科の受診がお勧めです。