過活動膀胱の薬としては抗コリン薬と呼ばれる薬(ベシケア、トビエース、ウリトスなど)が長らく中心的な役割を担ってきました。しかし抗コリン薬は良く効く薬ではありますが、一部の緑内障で使用できない、便秘がみられる、口が渇くなどの不快な副作用がみられるという欠点がありました。
数年前に、β3刺激薬という抗コリン薬にみられるような欠点を持たない薬(ベタニスなど)が発売されています。発売後たちまち数多く使われるようになっていますが、胎児への影響が特に注意となっていたり、ある種の不整脈薬と併用が禁忌となっていたり気を遣う薬ではあります。特に最近血圧の上昇を引き起こすことが指摘され通院日には血圧測定を行っておりますが、実際に軽度の血圧上昇をきたすことがままあるように思われます。
最近、とはいっても1年数か月前ですが、第二のβ3刺激薬としてベオーバという薬が発売されました。この薬は抗コリン薬や先のベタニスにみられるような禁忌の記載がなく、血圧上昇もみられないようです。実際、他の薬から切り替えて調子のいい人も多いようです。
いいことばかりのようですが、ベタニスのように低用量の設定がなく値段が高いほか、2020年6月現在、供給が不安定で新規処方が難しいようです。早急な安定供給が望まれます。